第177弾





恋愛CHU!!


PartI


















弥生先生攻略作戦は成功したはずだった。


しかし現実で突きつけられた答えは、弥生先生が突然の退職したという冷厳な事実。


教師や校長に事情を聞いても、「実家の都合らしい」という答えしか返ってこなかった。













ガードリーダーはロングソード連合の総力をあげ、八方に兵を出して捜索したが見つからず。


弥生先生のマンションも、捜索隊が踏み込んだ時にはすでにもぬけの殻だった。
















「なぜ弥生先生は自分の前から消えたのか」・・・いくら考えても答えはでなかったが、


よくよく振り返ると弥生先生と情事を交わせたのは、湯月とのトラブルがきっかけだった。


湯月との交際に疲れきった弥生先生を助けようと抱きしめたのがことの始まり。



つまりガードリーダーは傷ついた弥生先生の心のスキをついたに過ぎず、


己のカリスマで弥生先生の愛を獲得したわけではなかったのだ。



それを忘れたガードリーダーは弥生先生が退職するまでの二日間、なんら策を取らなかった。
















ガードリーダーは己の慢心を恥じ深く後悔したが、すでにあとの祭り。


結局弥生先生は消息を絶ったまま、二度と教室に帰ってくることは無かった。







 「こんな結末になるとは。この俺がここまで愚かとは思わなかったわ」



 「なにを弱気なことを。隊長らしくもない」



 「もはやここまで。溝蠍よ、介錯して我が首を校庭に埋めよ



 「な・・・なりませぬ!」



 「兄上!ここはいったん退き、NANAともうひと合戦!」



 「そうです隊長!我らはまだまだ十分に戦えます!」



 「・・・・。」
















 


弥生先生を失ったガードリーダーは心に傷を負いつつもプレイ続行。


しかし後任の英語教師との仲は最悪で、頻繁に武力衝突をする事態に。


自暴自棄な行動を繰り返すガードリーダーにウンザリしたのだろうか、


ルームメイトであり愛妾でもあったNANAが、弥生先生の後を追うように学校を退学したのである。





弥生先生に続きNANAの離別。


これでもうガードリーダーに戦う力は無い。・・・この戦争は我々の負けだ。




 「行くのかNANA。もうよい、責めはせぬ。好きにするがいい・・・」


















 


だが悪夢は簡単には終わらなかった。


ガードリーダーに煮え湯を飲まされた湯月はその力が衰えたと見るや、すぐに行動を開始。


ロングソードに不満を持つ生徒たちに呼びかけ、決起に及んだのである。



まさかの内乱にロングソード連合は大混乱に陥った。







 「旧校舎から歩兵50名!こっちに突っ込んでくるぞ!」



 「おのれ湯月め!隊長は・・・ガードリーダー隊長はどこにおられる!?」



 「それが・・・寮の自室から出てこられませぬ!」



 「・・・なんたることだ」



 「おのおの方、あれをご覧あれ。敵の大将格のようです」


















史上最大の反乱・・・。湯月が呼び寄せたのは学徒兵だけではなかった。


なんとロングソード連合が滅ぼしたあの凶暴な魔物まで復活させていたのである。









 「うっ!ヤツは確か、二度にわたってプレイ日記に現れたという・・・アシュラ!



 「しばらく眠っている間に、ロングソード兵がこんなに増えていようとはな」



 「とつお様と群馬参謀はどこだ!?アシュラと互角戦えるのはあのお二人だけだ!」



 「とつお様とナカユウ様は反乱した生徒を鎮圧中で、ここには・・・」



 「くそったれ!こうなったら皆の力で防ぐんだ!」
















 


復活したアシュラは前回よりさらなるパワーアップを遂げていた。


より強靭になった肉体に加え、伝説のアイテム「イージスの盾」をも装備していたのである。



 「バカめ。貴様ら雑兵が何万来ようとも恐れるアシュラ様ではないわ!


















ロングソードの総攻撃を跳ね返したアシュラは逆に最強魔法フレアでカウンター。


最強の神といわれたアポロンに勝るとも劣らぬ、恐るべき破壊力である。


アシュラの放った一撃でロングソード連合隊員たちは壊滅状態。



13年間続いたロングソード連合もいよいよここで消滅か。





誰もが諦めかけたそのとき・・・


















 ぬうっ!こ・・・この攻撃は!」



 「一体なにごとだ。騒がしくておちおち腹も斬れなかったぞ」



 「おおお、ガードリーダー隊長ッ」



 さすがガードリーダー!この新生アシュラ様に一撃を浴びせるとは」



 「アシュラ!?お前はSaGa2編で確かに葬ったはず」



 「ふっふっふ、新たなる創造主、湯月様のお力により蘇ったのだ」



 「なにっ、湯月だと!?」



 「ふはは、聞けばアパズレ女に恋して自分を見失ったらしいな」



 「・・・・」



 「安心しろ。貴様の死に場所はこのアシュラ様が丁重に用意してやる」



 「確かにさっきまでは腹を斬るつもりだった・・・。だが、俺は思い留まった」



 「なにい」



 「そして、結論した。絶対に弥生先生を探し出してみせると



 「隊長・・・」



 「それを妨げる者がいるならばすべて叩き潰す。徹底的にな」



 「ぬうう、演説会はそこまでだ!死ねいッ!



 「わからんヤツだ。所詮お前など俺の敵ではない



















飛びかかったアシュラをガードリーダーの剣が一閃。


「まさかそんな剣をもっていようとは・・・」、それだけ言い残し、新生アシュラは絶命。


大将格を失った湯月の反乱はこれにより急速に勢いを弱め、やがて鎮圧された。

















弥生先生がガードリーダーの前から消えてどのくらいの月日が経ったのだろう。


それは1年にも2年にも思えるほどだった。


だが感傷にひたるのはここまで。なんとしても弥生先生をこの手で見つけ出すのだ。




長きに渡る戦いはいよいよ終末へ向かう。





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