ロングソード連合隊長ガードリーダーが慕う担任教師、仁科弥生。
同僚教師と不倫関係を続ける弥生先生を我が手に奪還すべく補習に赴くが・・・。
教室では弥生先生と湯月が口論の真っ最中。
これまでガードリーダーは二人の間に入ることを嫌っていたが、ついに出撃を決意。
「あのガードリーダーのことだから全身フル武装で殴り込むに違いない」。
側近の溝蠍をはじめ、多くのHP後援者がそう思ったが今回武器は一切携行せず。
さらに頼みであるはずの護衛部隊にも待機を命じ、単身での行動を開始。
かくして丸腰となったガードリーダーだが、何か策があるのだろうか?
第177弾
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PartG
しっつれーしまーすっ!!お取り込み中すんませんねえ。
あ、あなた・・・。
うっ!お前はガードリーダー!
まったく何やってんだか。湯月センセー、あんまり馬鹿やってると噂にしちゃいますよぉ。
なっ・・なんだと・・・!
湯月は何か言おうとしたが、ガードリーダーのひと睨みしただけで視線をそらせた。
所詮はただの貧弱教師。
これまでガードリーダーが戦ってきた数々の猛者・魔物に比べればまったくの雑魚にすぎない。
教室にズカズカと乗り込んだガードリーダーは弥生先生の腕を取る。
おいっ!仁科先生をどうするつもりだ!
すみませんねー。おちこぼれなもんで、今から補習なんですよ。
湯月センセーも早く奥さんのところへ帰られたらどうですか?
な・・・なにぃ!
あんまり遅いと奥さん心配するから、俺が電話してあげましょうか?
これこれこんな理由で帰りが遅くなりますよって。
くっ!貴様・・・!
・・・・・。
それじゃ、シッツレーしまーす!
お・・おのれ、ガードリーダーめ。味な真似を・・・!
教室ではまだ湯月が何か言っていたようだが当然無視。
ガードリーダーは握り締めた弥生先生の手を離さないまま、無事に教室から離脱した。
弥生先生は・・・ずっとうつむいたままで、もう弁解する気力もないようだった。
カッコ悪いところ、見られちゃったわね。
・・・・。
私、馬鹿よね。あんな人を好きになっていただなんて・・・。
先生、湯月のこと本当に好きだったのかよ。
あの人はね、私がこの学園に配属されてから初めて話しかけてくれた人なの。
ここは特に厳しい職場だけど、やりがいがあるところだからって。
先生、どうしてあんなヤツと・・・。
話を聞けばその後、歓迎会でお酒をたくさん飲んでしまい・・・湯月との関係が始まったという。
湯月が結婚しているとわかってからもズルズルと二人の関係は続いたという。
かすれるような声で淡々と説明する弥生先生に、がードリーダーはただ黙って耳を傾けた。
今にも泣き出しそうな弥生先生にガードリーダーの胸は締め付けられる。
いつも明るい笑顔をして皆の人気者だった弥生先生。
成績が悪いガードリーダーのために、嫌な顔ひとつせず補習してくれた弥生先生。
自分の悩みは省みず、ガードリーダーに悩みがないか心配してくれた弥生先生。
ごめんなさい。教え子のあなたにこんな愚痴を言っちゃうなんて・・・。
私は・・・教師失格よね。
ガードリーダーは無血で湯月の手から弥生先生を奪うのに成功はした。
だがガードリーダーには彼女が見た目以上にボロボロになっているとわかった。
弥生先生は強い人間ではない、誰かが支えてあげねばならない人なのだ。
このままでは弥生先生がダメになってしまう・・・。
もはや迷うことはない。
ガードリーダーは、静かに弥生先生を引き寄せる。
傷ついた女教師と黄昏のレベンディック信奉者が、無人の廊下で抱きしめ合う。
二人の時間はいつのまにか流れ、お互のぬくもりだけが頼りになってくる。
ガードリーダーは弥生先生に導かれるままに職員室に誘われ・・・・
ついに結ばれるのだった。
しばしぬくもりのあと、ガードリーダーは両腕を猛々しくカチ上げた。
ようやく・・・ここにきてようやく実感することができた。
まごうことなき、ロングソード連合の完全勝利である。
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